この記事で解決できる悩み
- FXで失敗して借金することはあるの?
- 失敗しない方法を知りたい!
- 借金したときはどうすればいいの?
この記事では、このような悩みや疑問について、解決するための解説をしています。
のちほど解説する『FXで借金するほどの失敗を避けるための対策6つ』を理解して実践すれば、大きな損失を出すリスクを取らずにFX取引をできますよ。
そもそもFXとは?
FXとは2国間の通貨ペアを売買することで、為替レートの変動を利用して稼ぐ投資です。
たとえば海外出張で1米ドル円=110円のときに日本円を米ドルに両替して、出張から帰国して余った米ドルを1米ドル円=111円のレートで日本円に戻すと、1米ドルあたり1円の利益が出ますよね。
この原理を利用して利益を狙うのがFXの仕組みです!
借金を防ぐFX会社の取引ルール2つ
FXをすると即座に借金につながるというのは誤解です。
なぜならFX会社は、トレーダーの借金を防ぐためのルールを用意してくれているからです。
どのような仕組みなのか、以下2つ紹介します。
借金を防ぐ2つの取引ルール
- マージンコール
- 強制ロスカット
ルール1:マージンコール
マージンコールとは、ポジションの含み損が膨らみ証拠金維持率が一定の値を下回ると、FX会社が警告を知らせてくれる仕組みです。

ただしマージンコールサービスがないFX会社もあるので注意しましょう。
ルール2:強制ロスカット
強制ロスカットとは、マージンコールが出てからも損切りをせずさらに含み損が膨らみ、証拠金維持率が一定値を下回ったときに、FX会社が強制的に全ポジションを決済する仕組みです。
証拠金を超える損失が出るのを防いでくれますよ。
強制ロスカットは借金しないための最終手段
強制ロスカットはあくまで借金を防ぐ最終手段であり、頼るべきではありません。


そのため強制ロスカットに遭わないための対策を覚えておきましょう。
具体的な対策については後ほど詳しく紹介しますね!
FXで借金するほどの失敗をする原因4つ
強制ロスカットがあるにもかかわらず借金を負ってしまう原因を4つ紹介します。
借金するほどの失敗をする4つの原因
- 相場の急変でロスカットが間に合わない
- 市場の休場中に相場が大きく変動
- 自分で損切りを決めて損失額を抑えられない
- 生活資金を証拠金にあてる
原因1:相場の急変でロスカットが間に合わない
短時間で相場が急騰・急落すると、強制ロスカットの決済注文が間に合わないケースがあります。
FX会社のシステムにも限界があるんですね。
強制ロスカットが間に合わないと証拠金以上の損失が出て、借金の原因になります。
災害やテロ、大統領の選挙結果などのインパクトの大きい話題がニュースになると、相場が大きく変動するので、事前に発表のスケジュールがわかっている場合はその時間帯には取引を控えましょう!
原因2:市場の休場中に相場が大きく変動
FXの相場は土日も動いていますが、市場が休みのため取引はできません。
そのため土日をはさんで週明けに取引が再開すると、前週末のレートから乖離している可能性があります。
レートが不利な方向に動くと予想以上の損失を出すリスクがあるので、週末にはポジションを決済しておきましょう。
原因3:自分で損切りを決めて損失額を抑えられない
初心者に多いケースとして、取引のさなかに損切りラインを変更するのも原因のひとつです。

直接借金につながるわけではありませんが、大きな損失を重ねることで借金のリスクが高まりますよ。
原因4:生活資金も証拠金にあてる
生活費を投資すると、失ったときに借金をしないと生活できなくなるので、プレッシャーが大きくなります。
損失を取り返そうとして冷静さを欠いたまま取引すると、負のスパイラルに陥り、どんどん損失を膨らませてしまいます。
FXをするときは、たとえ失ったとしても生活に支障のでない「余剰資金」を使って投資しましょう!
FXに勝率100%の手法はない
統計学の専門家やどんなに経験豊富なプロトレーダーでも、FXで100%勝てる手法は作れません。

全取引でプラスの結果を出そうとすると、損切りできなくなり強制ロスカットされ、頑張って積み上げた利益を超えるような大きな損失を出す原因になりますよ。
FXで借金するほどの失敗を避けるための対策6つ
「FXには興味があるけど、借金はしたくない!」という人は、大損を防いで安全にFXをするための以下6つの対策を講じましょう。
借金するほどの失敗を避ける6つの対策
- エントリーで損切りポイントを決める
- リスクリワードを明確にして損小利大で取引する
- レバレッジを抑える
- 土日にポジションを保有しない
- 重要な経済指標発表を把握する
- 過去の取引検証を行う
対策1:エントリーで損切りポイントを決める
エントリーと同時に損切りの逆指値注文を出しましょう。

たとえば1米ドル円=110円で買いエントリーしたとき、109.60円の逆指値注文を出しておくと、40pipsで損切りできるとともに、損失額もわかりますね。
損切り幅を大きく取る場合は、取引量(ロット数)を減らせば損失を抑えることができますよ。
対策2:リスクリワードを明確にして損小利大で取引する
リスクリワードを決めて損小利大の取引を心がければ、借金のリスクを抑えることができます。
リスクリワードとは、1回の取引で実現する損失と利益のバランスのことです。
たとえばリスクリワードを1:3に設定して取引すれば、勝率が25%超えるようキープできればトータルで利益を出せますよ。
損小利大とは「早めに損切りして損失を抑えつつ、含み益を伸ばしてから利確する」取引スタイルです。
先ほどのリスクリワード1:3のケースでは、小さな10pipsの損切りが3回発生しても、大きな30pipsの利確を1回すれば損失を取り返せるんですね。
対策3:レバレッジを抑える
レバレッジを抑えて取引すれば、為替変動による損失を抑えられます。
たしかにレバレッジをかけて取引量を増やすと、相場が有利な方向に動けば大きな利益が出ます。ですが、相場が不利な方向に動いたときは、取引量が多い分、損失も大きくなります。

5万円の証拠金で米ドル円の通貨ペアを1,000通貨1ロット取引するとレバレッジ3倍の取引ができるので、レバレッジを調整する際の参考にしてください!
対策4:土日にポジションを保有しない
FX取引ができない土日の間に為替が大きく変動すると、週明けに大損します。
金曜日の取引終了までにポジションをすべて決済して土日を迎えましょう!
対策5:重要な経済指標発表を把握する
FX会社の経済指標カレンダーをチェックして、重要度の高い経済指標が発表される時間帯を把握しておきましょう。
雇用統計や政策金利のほか、経済指標カレンダーで重要度「高」と記載された経済指標には要注意です!

ポジションを持ったまま経済指標の時間帯を迎える場合は、事前に決済するか逆指値の損切り注文を入れておくと安心です。
対策6:過去の取引検証を行う
自分のこれまでの取引結果を検証して、問題点を改善しましょう。
なぜなら成功を増やして失敗を減らすことにつながり、勝率アップを図れるからです。
トータルで利益を出せない人は、どんな相場でも利益を出そうとして自分の不得意な相場でも取引しているケースが多いです。
利益を出せている得意な相場に絞って取引すれば、余計な損失が減って資金を増やせますよ!
FXで借金をしたときの対処法3つ
万が一FXで借金を作ってしまったら、借金の返済額を減らしたりゼロにするために、以下3つの方法で対処しましょう。
借金をしたときの3つの対処法
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
対処法1:任意整理
任意整理とは、直接債権者と話し合い、借金の利息や月々の返済額を減らす方法です。

ただし任意整理には以下2つのデメリットがありますよ。
任意整理の2つのデメリット
- 借金額を大きくは減らせない
- 信用情報機関へのリスト登録
デメリット1:借金額を大きくは減らせない
任意整理は、個人再生と自己破産に比べて減額できる借金は少なめです。
ですので借金が多い人は任意整理ではなく、次で解説する個人再生で対処することになります。
デメリット2:信用情報機関へのリスト登録
任意整理すると金融事故情報として信用情報機関のリストに載ってしまうので、数年間は生活に支障が出ます。
たとえば、ローンが組めなくなったり、一部の商品を分割で買えなくなったりするのです。
何年か経てばリストから名前が消えて元の生活を送れるようになりますが、最低でも5年はかかる覚悟をしましょう。
信用情報機関のリストに載ってしまうと…
- キャッシングサービスが使えない
- ローンが組めない
- 携帯電話の端末を分割で購入できない
対処法2:個人再生
個人再生とは、裁判所を通して5分の1まで借金を減らす方法で、借金が多額で任意整理では対処できないときに使います。
次で紹介する自己破産と違い、家財や家を手放す必要がないのが特徴です。
個人再生は任意整理と同じく信用情報機関のリストに登録されることに加え、以下のデメリットがあります。
個人再生の2つのデメリット
- 官報に名前や住所が掲載される
- 返済ができる収入源がないと活用できない
デメリット1:官報に名前や住所が掲載される
個人再生すると官報(国の機関紙)に名前と住所が載りますが、信用情報機関や市町村の税金担当者、闇金業者くらいしか見る人はいないので、会社に知られることはほぼありません!

ただし2019年3月に、官報に載った破産者の情報がGoogleマップに位置情報として表示されるという事件が起こり、問題になりました。
最終的に破産者マップの運営者がSNSで謝罪するとともにサイトを閉鎖するという結末に終わったのですが、同様の事件が起こる可能性があるので気をつけましょう。
デメリット2:返済ができる収入源がないと活用できない
収入源があり、返済のメドが立っていなければ個人再生は使えません。
理由は、個人再生は借金の減額にすぎないからです。
収入がない人、あるいは生活が立ち行かなくなるため返済資金を出せない人は、個人再生ではなく次で紹介する自己破産をするしかありません。
対処法3:自己破産
自己破産は裁判所に申立てを行うことで、借金を全額免除してもらえる方法です。
ただし借金で生活が立ち行かなくなるくらいの状況でない限りはおすすめしません。
なぜなら個人再生と同様に信用情報機関のリストと官報に載ることに加え、自己破産には以下のデメリットがあるからです。
自己破産の2つのデメリット
- 家財を失う
- 就ける職業に制限がある
デメリット1:家財を失う
自己破産すると、競売にかけて換金し借金の返済に充当するため、生活必需品以外の家財(不動産や車)は裁判所に差し押さえられます。
ただし民事執行法第131条で、債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具の差し押さえは禁じられています。

デメリット2:就ける職業に制限がある
自己破産すると無資格の扱いになり、以下3つの職業に就くことができなくなります。
自己破産すると就けない職業
- 弁護士 (弁護士法第七条 五)
- 税理士 (税理士法第四条 三)
- 警備員 (警備業法第三条 一)
上記以外の職業であっても、自己破産の手続き中は一定の制限を受けます。
ただ、自己破産が原因で会社をクビになることはありません。
免責許可が下りなければ自己破産ができない?
FXの借金が原因で自己破産する場合、裁判所から免責が認められなければ借金はなくなりません。
つまり、自己破産は任意整理・個人再生よりもハードルが高いわけです。
詳しくは次の見出しで解説します。
FXは免責不許可事由にあたる
FXで作った借金は破産法に定める免責不許可事由に該当するので、帳消しにしてもらえない可能性があります。
というのも、FXや株式取引、先物取引は破産法252条1項4号に定める「浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」の「射幸行為」に当てはまるからです。
だからといって自己破産を諦める必要はありませんので、まずは次の見出しで解説するように弁護士に相談しましょう。
まずは弁護士へ相談しよう
免責許可の申請や自己破産の手続きは素人には難しいので、一人で悩まず弁護士に相談しましょう。
先ほど、FXは免責不許可になる可能性があると紹介しましたが、2017年の日本弁護士連合会の調査では、96.77%の人が免責許可が下りており、免責不許可になっているのは、わずか0.57%だそうです。
裁判所からの取り下げを含めると免責不許可割合は3%になりますが、ほとんどのケースで借金をなくせているのがわかりますね!

FXの失敗で借金まとめ
この記事で重要な「FXで借金するほどの失敗を避けるための対策6つ」について再度確認しましょう。
借金するほどの失敗を避ける6つの対策
- エントリーで損切りポイントを決める
- リスクリワードを明確にして損小利大で取引する
- レバレッジを抑える
- 土日にポジションを保有しない
- 重要な経済指標発表を把握する
- 過去の取引検証を行う
これらの対策を理解して実践すれば、大きな損失は避けられるので、FXの知識や取引経験をたくさん積むことができます。
そうして、少しずつでも利益が出せるようになりましょう!