この記事で解決できる悩み
- FXの税率ってどのくらいなの?
- FXは経費が認められないの?
- FXで節税して税金対策する方法が知りたい!
この記事では、このような悩みや疑問について、解決方法を紹介します。
のちほど解説する「FXで押さえておくべき税金対策5つ」を実践すれば、FXで節税することもできますよ。
FX取引にかかる税金とは?基礎知識2つ
FXの利益に対する税金は、正社員の給料やパート・アルバイト代とは計算方法が違います。
どんな取り扱いになるのか見ていきましょう。
FX取引にかかる税金とは?基礎知識2つ
- FXの税金は雑所得の申告分離課税
- FXの税率は20.315%
基礎知識1:FXの税金は雑所得の申告分離課税
10種類の所得税 | |
利子所得 | 国債・社債・預貯金などの利子 |
配当所得 | 株式配当など |
不動産所得 | 地代・家賃所得・権利金など |
事業所得 | 会社経営の所得など |
給与所得 | お給料など |
退職所得 | 退職金・一時恩給など |
山林所得 | 山林を売った所得 |
譲渡所得 | 株式・土地を売った場合など |
一時所得 | 保険の返戻金・各賞金など |
雑所得 | 年金・FX・原稿料など(ほかの所得に当たらないもの全て) |
FXの税金は「先物取引に係る雑所得」として申告分離課税されます。
雑所得とは給与所得や不動産所得、配当所得といった9種類の所得に該当しないものです。
また、分離課税とはFXの税金だけをほかの所得と切り離して単一の税率で計算することです。
基礎知識2:FXの税率は20.315%
FXの税率は所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%のあわせて20.315%で課税されます。

給与所得のように総合課税の累進課税がされないので、利益の大小に関係なく税率は20.315%で変動しないのが特徴です。
FXで押さえておくべき税金対策5つ
FXの税金は、以下5つの方法を使って抑えることができます。
いずれも合法的な節税方法なので安心してくださいね!
FXで押さえておくべき税金対策5つ
- FX取引は経費が認められる
- 損失は繰越控除してムダにしない字
- 夫婦なら口座は分けて持つ
- スワップポイントでの税金対策
- 年末の両建取引で利益を繰越す
税金対策1:FX取引は経費が認められる
FX取引には経費がかからないと思っている人も多いかもしれませんが、FXの利益からは経費が差し引けるんです。
認められた経費×税率分(20.315%)が節税になりますよ。
次の見出しを読んで経費になるものがあれば忘れずに計上して、税金を安くしましょう!
FX取引で経費計上できるもの一覧
FXの経費に計上できるのは以下のものです。
生活費や旅行など、FXと無関係の経費は計上できません。
ただし、FXに関係のある経費でも100%認められるわけではないので、経費計上できるかわからないものがあれば、税務署や税理士に相談するのが無難です。
FX取引で経費計上できるもの
- 書籍や雑誌代金
- 配信サービス費用
- セミナー受講費
- セミナー受講にかかった交通費や宿泊費
- 入出金の振込手数料
- 備品や消耗品など
- ネット通信費やパソコン代(一般利用を兼ねる場合は按分)
※按分計算や詳細については税務署や税理士に相談をしましょう
税金対策2:損失は繰越控除してムダにしない
FXで損失が出ても、あきらめるのは早いです!
なぜなら、損失が出た年の確定申告をすれば、翌年から3年間は繰り越して、将来の利益と相殺して節税できるからです。
ただし、損失の繰越控除を受けるには、取引の有無に関係なく毎年確定申告をし続けることが条件です。

税金対策3:夫婦なら口座は分けて持つ
夫婦で口座を分け、利益をそれぞれの口座に分散することで節税できます。
というのもサラリーマンの夫は年間20万円まで、専業主婦の妻は年間48万円までの利益なら税金がかからないからです。


ちなみに専業主婦の方の基礎控除が2020年分から48万円(2019年分までは38万円)に増額されたので、この手法による節税効果が10万円増えています。
税金対策4:スワップポイントでの税金対策
ポジションを決済・出金したときに損益として取り扱われるFX会社を使っているなら、決済するまではスワップポイントに税金がかかりません。
つまりポジションを決済するタイミングを確定申告したい年に先送りできます。
たとえば、その年の利益が19万円で、スワップポイントが2万円のポジションを保有しているときは、翌年に決済することでその年の利益が20万円を超えません。
ただし、この方法はスワップポイントを自由に使えなくなるので、複利運用をするトレーダー向きといえます。
また、ポジションを持ったままだと、大きな相場変動で為替差損することが予測される場合は、たとえ納税することになったとしても、決済した方が良いケースもあります。
税金対策5:年末の両建取引で利益を繰越す
年末に両建取引を行い、含み損が出ているポジションのみ決済して再び両建取引を行なった状態で年を越す方法です。
これにより両建取引のうち損失部分を年内に確定させることで節税し、利益部分は翌年に確定させて損益を調整します。

また、相場変動による為替損益の影響も受けるので、注意が必要です。
FX利益拡大時に法人化させるメリット・デメリット
FXの利益が増えたときは、法人化すればより多く節税の恩恵を受けられるようになります。
ただし法人化にはコストもかかるので、個人で運用するのとどちらが得かよく検討してくださいね。
FX利益拡大時に法人化させるメリット・デメリット
- メリット:認められる経費が増える
- デメリット:法人設立・維持費がかかる
法人化のメリット:認められる経費が増える
法人化すると個人形態と異なり、役員や従業員に対する給料など経費として計上できる範囲が広がります。
また、個人よりも損失の繰り越し年数が長かったり、最大レバレッジが大きい、といったメリットがあります。
法人化のメリット:認められる経費が増える
- 経費に計上できるものが増える
- 損益通算できる
- 10年間損失を繰り越せる
- レバレッジが無制限
法人化するデメリット:法人設立・維持費がかかる
法人化にはデメリットもあります。
法人設立するには登録免許税や定款の認証手数料といった法定費用のほか、法人の実印や登記簿謄本の作成費など、数十万の費用がかかることです。
また、税率も個人のように20.315%の固定ではなくなりますし、FXの元本や利益がすべて法人のお金になるので、個人の自由に使えなくなります。
法人化するデメリット:法人設立・維持費がかかる
- 法人設立・維持には費用がかかる
- 地方税を毎年支払う必要がある
- 税率が一定でなく、含み益にも税金がかかる
- 個人で使える自由なお金ではなくなる
国内FXとは違う海外FXの税金対策
海外FXの利益は雑所得として総合課税で累進税率が適用されます。
ですから、節税するには総合課税の税金を抑える方法をとる必要があります。

具体的な方法は次で紹介します!
総合課税の雑所得として損益通算する
海外FXは総合課税されるので、たとえば不動産所得との損益通算を利用する方法があります。
具体的には中古の不動産を購入して賃貸に出せば、減価償却費を赤字として計上されるので、海外FXの利益から差し引けるんです!
賃貸物件からの家賃収入も継続的に得られるので、資金繰りに困るリスクも抑えられますよ。
【注意】脱税すると罰金が科される!
節税は合法ですが、やりすぎると脱税とみなされて懲役や罰金などのペナルティが課されるリスクがあります。
その点を理解したうえで税金対策を行ってください。
ちなみに海外FXなら税務署にバレないと思うかもしれませんが、利益を国内に移したときに銀行が「国外送金等調書」という情報を税務署に提供する決まりになっているので、必ずバレます。
いずれにしても、節税の度合いを個人で判断するのではなく、税務署や税理士に相談すれば、コストがかかりますが安心ですよ!
簡単に確定申告書を作成・提出する2つの方法
いくら税金対策をしても、正しく申告しなければ意味がありません。
初心者でも簡単に確定申告書を作成して提出できる方法を2つお伝えしますね。
FXに関する確定申告書の書き方は以下の記事で詳しく解説していますよ!
簡単に確定申告書を作成・提出する2つの方法
- スマホやパソコンで確定申告書を作成する
- e-Taxで電子申告する
方法1:スマホやパソコンで確定申告書を作成する
確定申告書は手書きでも作成できますが、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」からスマホやパソコンで作成するほうが楽です。
FX取引で普段使っているスマホやパソコンで申告できますし、入力する数字と場所さえ間違えなければ計算ミスがないので安心ですよ!

方法2:e-Taxで電子申告する
確定申告書の提出方法には窓口に持参・郵送・e-Taxの3つがあり、e-Taxによる電子申告が一番簡単です。
スマホやパソコンで作成したデータをそのまま申告できるので、印刷や提出の手間が省けますよ。
また、2021年からはマイナンバーカードがあれば、政府が運営するオンライン行政手続きサービス「マイナポータルAP」から送信できるようになります。
これまでは、「e-Tax」や「マイナポータルAP」など複数アプリをインストールする必要がありましたが、令和3年1月から「マイナポータルAP」のみで利用可能となる予定です。
マイナンバーカードの発行には時間がかかるので、なるべく早めに申請しましょう!
FXの税金対策のまとめ
この記事で重要な「FXで押さえておくべき税金対策5つ」について再度確認しましょう。
FXで押さえておくべき税金対策5つ
- 税金対策1:FX取引は経費が認められる
- 税金対策2:損失は繰越控除してムダにしない
- 税金対策3:夫婦なら口座は分けて持つ
- 税金対策4:スワップポイントでの税金対策
- 税金対策5:年末の両建取引で利益を繰越す
これらの税金対策を理解して実践すれば、FX取引で節税することができますよ。