中国が発行する通貨が「中国元」で、成長率が7~9%であれば、中国元も為替レートが上昇するのですが、中国政府が外国為替市場に介入しているために、変動はわずかになります。
日本の10倍を超える国土と人口を持つ中国は、ここ数年の経済成長が著しいといえます。2010年あたりまでの勢いはありませんが、それでも世界でトップクラスの成長率を維持しているといえます。
成長率が日本と同じだとして、人口が日本の10倍以上なので数値は10倍です。さらに、日本よりも成長率が高いために、日本は隣国の中国経済に頼るようになってきました。

変動相場へ向かうと中国元は高くなりやすい
中国元が変動相場に向い「元高」になると、中国国内では高騰する物価や不動産を抑制することが可能になりますが、中国の輸出競争力が低下させて、世界の工場だった中国の生産力が低下し、経済成長率が維持できない可能性もでてきます。
ですが、ゆっくりと変動相場にすることで、中国人の国内消費が活発になり、輸出に頼らない強い経済を確立できていきます。
それにより、中国政府はまだ固定相場をやめることなく、ゆっくりと為替レートを元高方向に持っていきつつ、最初は東南アジアでの直接取引をして、次は日本円との直接取引などのステップアップし、次第に変動相場にシフトしていくことが予想されています。
中国には2種類の中国元がある
中国元にはCNYとCNHの2種類が存在します。CNYは中国人民銀行によって管理され、原則として売買以外での取り扱いはできない、一般的な紙幣で使われている通貨になります。
そんな中でも日本のFX取引所「くりっく365」は、2011年8月より中国元/円(CNY/JPN)のFX取引を開始しました。ですが、このCNYでFXを始めるとデメリットが多くあります。
中国元は金利が高いため、日本円を売って中国元を買えば、スワップポイントが付きそうですが、CNYではスワップポイントがマイナスになっています。
CNHならスワップポイントがプラス
FXで取引が難しかったCNYの中国元に替わる「オフショア中国元」をFX会社が取り扱えるようになりました。
オフショアとは、「海外企業や投資家向けの資産管理をする市場や機関」という意味になります。中国人民銀行が中国元と日本円を取引するための市場となりましたので、今後は日中間で自由に売買が可能です。
オフショア中国元こそがもう1つの中国元「CNH」になります。以前のCNYは中国の金利が反映されずに、スワップポイントはマイナスでしたが、CNHはちゃんとスワップポイントが付きます。
中国の金利ほどではありませんが、もちろんCNHはスワップポイントがプラスで、中国元の取引が大幅に自由化され、くりっく365を通す必要はなく、割安なFX会社でを探して売買することができます。